世間の人

信じられないことがあります。

世間のひとびとの、生活についてです。世間の人々は本当に、毎度毎度銀行やら郵便局やらに自ら足を運んでいるのですか。窓口で手続きをしているのですか。市役所とか、病院に都合をつけて出向き、紙の束を受け取って読み解き、生きているのですか。本当ですか。

道行くひとたちは、みんな電話に出れているのですか。なんとなく出たくないと思って出なかったり、逆にかけたくないと思って必要な用事(再配達とか)を先延ばしにし続けたり、しないんですか。郵便物をすぐに確認しているんですか。本当ですか。

みなさん、掃除とか食事とか、細々した作業を溜めずに過ごしているんですか。そして、休日はタオルの買い替えとか、クリーニングの受け取りとか、友達との食事とか、なんか聞いてると耳障りの良い用事をこなして、それを心地いいと感じているんですか。本当ですか。


私は窓口での手続きが苦手で、病院は嫌いだし、電話は取るのもかけるのもしんどい、郵便物はしばらく封を切れないし掃除もまとめて、食事もわりと適当、休日はとにかく運動エネルギーを使わず、それでも表面を取り繕って素知らぬ顔で世間に紛れ込んでいます。

だからいつまでも信じられないのです。

「きちんとした人々」は本当に「きちんと」しているのですか。